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『たんぽぽの卵』試論

「この国の隅から隅まで みんなウルサイな――」 ∴ 前期~中期の町田ひらく作品においては一対一であれ一対多であれ、そこには基調となる何らかの人間関係がありまたそこから演繹される何らかの人間ドラマがあった。しかし『たんぽぽの卵』にあっては例えば中…

町田ひらく試論

ふとしたことで不可視の世界を幻視してしまうのではないか、という不安。初期の頃から町田ひらく作品を通底しているオブセッションはこのような種類の不安と関係している。例えば『蜃気楼回線』では間違い電話の留守録が主人公と不可視の世界を偶然に繋いで…

ロックから渋谷系へ――「けいおん!」から「たまこまーけっと」へ――

というタイトルだけ思い付いて後は特に何も考えてないんだけど、まあ「けいおん!」と「たまこまーけっと」のOPを聴き比べるだけでもロックから渋谷系への移行が行われているというのは誰の目にも明らかなわけだけれども。トポス論的に見ても「けいおん!」…

アニメにおける最小二乗法的線形回帰⇒超コード化と分子的/微分的振動(=揺らぎ)を巡る原理的考察その1 ダンス論/資本主義批判

2012年12月31日付けのNHKニュースWEBに「ことしの有感地震 3000回超」という記事が載っているのを見つけた。NHKオンライン このデータは図らずも日本人の身体感覚そのものの変容をも象徴しているように思われる。人々は常に「揺れ」を感じている、感じず…

自殺の様式

自殺においても様々なる意匠がある。といってもそれは首吊りであるとか飛び降りであるとかそのような外面的な様式の選択ではない。そうではなく、内的な、もっと云えば実存的な――その人間のパーソナリティと切っても切り離せない、強いられるものとしての様…

仏界易入、魔界難入

人体欠視症――ふとした拍子に相手の体が透き通るように見えなくなってしまうという奇病に罹った木崎稲子は入院するために訪れた常光寺の境内にある気ちがい病院にて西山老人と出逢う。 たとえば、病院の主のような西山老人は、本堂の畳に紙をひろげて大きい字…

他者、目玉、あるいは幽霊

哲学の書物は、一方では、一種独特な推理小説でなければならず、他方では、サイエンス・フィクション[知の虚構]のたぐいでなければならない (「差異と反復」ドゥルーズ) コルタサルに「占拠された屋敷」と題された奇妙な短編がある。或る兄妹が見えない…

カリフォルニア・イデオロギー、インターネット、天皇

今日び抽象的な「国家」という概念をポジティブに定義付けようなんて思想的試みが流行らないのもグローバリズムが世界を覆い尽くしている現状を鑑みれば当然だ。しかし国家という概念がいくら希薄化しても排外主義が無くなるわけではないしむしろ逆説的なこ…

吾妻ひでお、マイルス・デイヴィス

革命家は知っている。逃走は革命的で、引きこもりや気まぐれさえも、テーブルクロスを引っ張って、システムの一端を逃げ出させるのなら革命的である。ジョン・ブラウンのやり方で、みずから黒人にならざるをえないことがあるとしても、壁を通り抜けること。…

妄想とアーカイヴへの欲望

1 妄想は社会的な産物である統合失調症者の妄想は非論理的で荒唐無稽な代物に過ぎない、と一般には思われがちな気がします。しかし本当にそうなのでしょうか。しょせん統合失調症者の妄想は社会から隔絶された狂気が生み出したSFじみた絵空事でしかないのか…

純粋国家と反原発

反原発運動は山本七平風に言うと「純粋国家」を求める運動に他ならない。山本七平は夏目漱石の「こころ」の読解から以下のような論旨を導き出す。 日本人には明らかに「純粋国家」という概念がある。個人のもつ基本的な欲望、いわば飲・食・生存といった基本…

否定神学共同体

書かずにいようと思ってたけどやっぱり書くか。問題は原発なのだ。とはいっても最近の反原発ムーブメントみたいなのを見てもなんかモヤモヤしたものがあるわけで。どうも反原発の風潮は左翼界隈だけではなく痛いニュースとか見ても全体的にそういう風潮らし…