2013-02-01から1ヶ月間の記事一覧

江藤淳(1)

1999年。この年、児童ポルノ法の制定と江藤淳の自裁という二つの出来事とともに20世紀は幕を閉じた。それは、とりもなおさず同時に批評の歴史の終わりをも意味していた、というのが私がここで提示したい仮説である。 児童ポルノ法の制定と江藤淳の自裁…

スクリーンの向こう側にあるのが大きな物語であろうとデータベースであろうとぶっちゃけ自分にはどっちでもいいし、どうでもいい。スクリーンの向こう側に物語を志向する人間もデータベースを志向する人間もスクリーン自体は見ていない。自分がアニメを見る…

スクリーンの手前で立ち止まること

野田努が初音ミクの製作者佐々木渉との対談においてこんな発言をしていた。 野田:ブラック・ドッグですかぁ。それは面白いですね。当時のテクノはロックのスター主義へのアンチテーゼというのがすごくあって、自分の正体を明かさないっていう匿名性のコンセ…

ロックから渋谷系へ――「けいおん!」から「たまこまーけっと」へ――

というタイトルだけ思い付いて後は特に何も考えてないんだけど、まあ「けいおん!」と「たまこまーけっと」のOPを聴き比べるだけでもロックから渋谷系への移行が行われているというのは誰の目にも明らかなわけだけれども。トポス論的に見ても「けいおん!」…

雑感

それにしても、と僕は思う。 日本には、アニメに関する批評が存在しない。批評家が存在しないだけでなく、批評の場そのものが存在しない。 (「庵野秀明はいかにして八十年代日本アニメを終わらせたか」東浩紀) 東浩紀が上のように記したのは1996年で、…