OKソーダ

OKソーダ OKsoda

1994年半ばにコカ・コーラ社によって、地域限定で発売された地味な清涼飲料水。コーク社の宣伝担当だったセルジオ・ザイマン(彼はまたニュー・エイジ的「脳活性飲料」のフルートピアも開発した)の発案によるこの新商品、OKソーダはジェネレーションXの隙間市場を狙い、つや消しの灰色の缶に平坦な味の飲料を詰め、コミック本の作家であったダニエル・クロウズとチャールズ・バーンズの筆によるルーズそうな若者の絵が描かれていた。ポートランドの有力な広告会社だったウィーデン・アンド・ケネディー社によって考案された宣伝計画を受けたOKソーダの発売は「すべてのことに理由があるとは限らないんだよ」などといった、少し斜に構えた変わったスローガンなどが掲げられた。通話料無料の「1-800-I-FEEL-OK」という直通ホットラインも開設され、ここでは電話をかけて自分のメッセージを録音することもでき、他人の皮肉めいた発言に耳を傾けることもできた(これは結局、広告会社による企画だった)。さらにはここで「時々、テレビから自分に向けられた電波のメッセージが流れることがある」などといったイエス/ノー式の質問などが含まれる「性格診断」も行うことができた。OKソーダが発信するメッセージは広く浸透するに至らなかった。伸び悩む売上げのせいで、1995年にはその方向性は「ユニークなフルーツ味のソーダ」へと改められた。(「オルタ・カルチャー」スティーヴン・デイリー(編集) 吉岡正晴(翻訳))