『ニック・ランドと新反動主義』 & 最近の仕事と活動

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書き上げてしまった自分の文章or本については基本的に一切の興味を無くしてしまう性なので、今回も事務報告的な告知となってしまうことを予めご了承ください。

まずは星海社から新書が出ました。
www.amazon.co.jp
honto.jp

『ニック・ランドと新反動主義 現代世界を覆う〈ダーク〉な思想』。内容についてはタイトルの通り、と言ってしまえばそれまでですが、平たく言えば『ダークウェブ・アンダーグラウンド』の五章と六章をさらに掘り下げて発展させたもの、ということになるかと思います。もともと『ダークウェブ・アンダーグラウンド』の五章を書き上げて、それの一部をブログに上げたところ星海社の編集者に声をかけられたという経緯があり、そういう意味では『ニック・ランドと新反動主義』は『ダークウェブ・アンダーグラウンド』の幸福な副産物と言えなくもありません。
なお、第一章の「ピーター・ティール」は去年の十一月に文学フリマにおいて領布された早稲田大学現代文学会の同人誌『Mare vol.5 アンチ・タイムライン』に寄稿したテキスト「ピーター・ティール論――封建主義2.0のススメ」を改稿したものになっています。ちなみに、この第一章は星海社のWEBサイトにて「試し読み」として全文読むことができるようです。
それと、第二章と第三章は仲山ひふみ氏が査読として内容をチェックしてくださっており、要所々々に仲山氏の有益なアドバイスや修正案が反映されています。この場を借りて深甚の感謝を。

その他の最近やった仕事や活動は以下にリストアップしておきます。

■『現代ビジネス』

gendai.ismedia.jp
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いろいろと書いています。

■連載『ビューティフルハーモニー』

s-scrap.com
令和の時代における「調和」と「壊乱」と「コントロール」を巡る考察。0回目となるプロローグではアルファ碁とニック・ランドの「始原的な抽象作用」について書きました。こちらの連載では肩の力を抜いて好き放題書く予定です。

■『小説すばる2019年5月号』
honto.jp

こちらには「私的偉人伝」という一ページコラムに寄稿しています。マーク・フィッシャーについて、なるべくコンパクトにまとめたテキストです。

■『現代思想2019年6月号 特集=加速主義』
www.seidosha.co.jp

「気をつけろ、外は砂漠が広がっている ――マーク・フィッシャー私論」という文章を寄稿しています。
この原稿を書いていた時期は精神的にかなり落ち込んでいた(現在もですが)時期にあたり、そのときの「シンドさ」がわりとダイレクトに文章に表れているという、そういった意味での「私論」でもあります。まあ、フィッシャーについて好きなように&好きなだけ書くことができたので(自分としては)さしあたり満足しています。

■『小池紘平の世界 Vol.1』

五月のコミティア領布された合同誌。僕は「LITTLE GIRLS」という文章を寄稿しました。なお、挿絵を『COMIC LO』への寄稿歴もある作家の4番街さんが描いてくださっており、とても貴重な経験になったと思います。
内容についてはあえて自己検閲=ノーコメント(といっても特に「過激」なことは書いていないのであしからず)。即売会における同人誌という小部数の形態にはWEB媒体や商業出版にはない独自の利点――すなわち読者を意図的に限定できるというものがあります。インターネットとSNSによって失われてしまったマイクロユートピアンな共同体、それは端的に言えば「炎上的」な祝祭からもっとも遠いひとときの安息の地でもあり、そして僕はこのような空間をこそ大事にしてきたい、という素朴な思いを持っているのです。

■藤想合同誌『3』

二月のコミティア領布された同人誌。僕の他にもいろいろな方が参加されていました。「三がテーマであること」「人間が登場してはいけない」みたいなハードなレギュレーションが十三個設定されているというもの。ちなみに僕は三日分の日記を書きました。まともにレギュレーションをクリアしようと思ったら奇想天外なSFにせざるを得ない、という状況下であえて平凡な日記を書こうと試みたらどうなるか、という一種の実験でもありました。

■インタビュー

ダークウェブよりヤバい「普通のウェブ」
いろいろ偉そうに喋ってます。

■読書会

hidesys.hatenablog.com
闇の自己啓発会とかいう、いかにも危なそうな集まりに参加して『ダークウェブ・アンダーグラウンド』の読書会を行った模様のレポート。